周防大島町

概要

周防大島町は山口県南東部の瀬戸内海に浮かぶ島全体を行政区域とする町で、面積は約138km²、人口は約18,000人（2025年時点）です。日本最大級の離島であり、豊かな海と緑に囲まれた自然環境が魅力です。温暖な瀬戸内気候の下、ミカンやオリーブ栽培が盛んで、「瀬戸内ブルー」と称される透明度の高い海と多島美を活かした観光業が重要な産業となっています。

歴史的背景

古代から海上交通の要地として知られ、奈良時代には「大島郡」一帯が行政区画に組み込まれました。中世には周防国府の海路拠点として発展し、戦国時代には大内氏の海城が築かれ、豊臣秀吉の毛利征伐でも海上戦の舞台となりました。江戸時代は長州藩の離島経営地となり、塩田やみかん栽培が奨励されました。明治以降は港湾としての機能に加え、養蚕や製塩業、漁業が地域経済を支えました。

町の特色

周防大島町はミカン（夏みかん、みかん類全般）とオリーブの栽培が特産で、島内各所に果樹園やオリーブ園が広がります。オリーブオイル製造やワイナリーも増え、地産地消を掲げたレストランやマルシェが賑わいます。町内の大島観光港を中心に、瀬戸内クルージングやシーカヤック、釣りなどマリンレジャーの拠点が整備され、島の自然を丸ごと楽しむツアーが人気です。

文化と観光

大島大橋のライトアップが夜景として知られ、瀬戸内の多島美を一望できるビュースポットです。白砂海岸やきらら浜公園では海水浴やビーチスポーツを楽しめます。春には「大島大橋みかん祭り」、秋には「オリーブ収穫祭」が開催され、新鮮な地元特産品を味わえるほか、伝統芸能や音楽イベントも催されます。歴史では弘法大師ゆかりの恩書伝説や、古刹・来島菅原神社の祭礼が見どころです。

自然と交通の利便性

周防大島町は大島大橋で本州と直結し、車でのアクセスは山陽自動車道玖珂ICから約30分です。公共交通では岩国駅からバスが定期運行し、島内の各集落を結びます。沖浦港、橘港などのフェリー航路もあり、周辺の島々や本州各地へのアクセス手段が多様です。島内にはレンタカーやレンタサイクルステーションが点在し、観光スポットへの移動が便利です。