FAQ
遺品整理の際に見つかる貴重品とその対処法
遺品整理を進める中で、意外な場所から貴重品が見つかることは少なくありません。長年使われていなかったタンスの引き出しや古いカバンの中、壁の裏や床下収納、仏壇の下などに思わぬ“財産”が残されているケースもあります。
貴重品は金銭的な価値に加え、相続や手続きに関わる重要な物でもあるため、発見した際には適切に扱う必要があります。遺品整理中に見つかりやすい貴重品の種類と、それぞれの適切な対処法について詳しく解説します。
遺品整理でよく見つかる貴重品の例
■通帳・印鑑・キャッシュカード預金の残高確認や相続手続きに必要不可欠。金融機関へ届け出る際は、相続人全員の同意が必要となります。
■現金・小銭金庫や仏壇、封筒の中に現金が残されていることも。古い服のポケットなども丁寧に確認しましょう。
■貴金属・宝石・腕時計ネックレスや指輪、ブランド腕時計などは買取査定や相続財産としての計上が必要になります。
■株券・証券・投資関係の書類証券会社での確認や相続手続きのため、保管状態を問わず必ず内容を確認することが重要です。
■保険証券・契約書生命保険、医療保険、住宅ローン関連など、死亡後の手続きや請求に必要です。
■土地・建物の権利書(登記識別情報)不動産の名義変更や売却に必要不可欠な書類です。
■有価証券・金券・商品券・切手・収集品金券ショップなどで換金できるものも多く、資産価値があるため見落としに注意が必要です。
■パソコン・スマートフォン・外付けHDD中に重要な個人情報や資産情報が含まれている可能性があるため、勝手な初期化や廃棄はNGです。
貴重品発見時の対処法
① その場で判断せず、一旦保留・記録する 金銭的な価値に加えて、家族の思い出や遺産分割の対象になることもあるため、安易な処分は避け、発見場所と品名をノートやスマホに記録しておきましょう。
② 相続人全員で共有・協議する 特に現金や換金可能な資産は、相続の対象になります。発見後は一人で判断せず、家族や相続人全員と情報を共有し、取り扱いについて話し合いましょう。
③ 専門家に相談する 不動産や株式、貴金属など、評価や手続きが必要な場合は、税理士・司法書士・弁護士などの専門家に相談することで、適切な処理ができます。
④ デジタル機器は慎重に対応する ログイン情報が不明なままデバイスを廃棄すると、資産情報や個人データが失われる危険があります。専門業者によるデータ復旧や、パスワード解除サービスの利用も検討しましょう。
⑤ 買取や換金時は複数業者で相見積もりを 金や時計などは業者によって査定額が異なるため、いくつかの店舗で見積もりを取ってから決めるとよいでしょう。また、信用できる業者を選ぶために口コミや実績も参考にしてください。
トラブルを避けるためのポイント
・「隠し財産」が見つかったときこそ冷静な対応を ・勝手に売却・換金しない(トラブルの火種になります) ・処分前に「写真を撮る」「リスト化する」など記録を残す ・遺産分割協議書に明記することで後のトラブル防止に
まとめ
遺品整理中に見つかる貴重品は、相続や感情、法律が交差する非常に繊細な存在です。その扱い方一つで、家族間の信頼関係に影響を与えることもあります。
「気づかなかった」「知らなかった」「うっかり捨ててしまった」という事態を防ぐためにも、冷静に丁寧に、そして必要に応じて第三者の力を借りながら、慎重に対応していきましょう。
故人が遺した大切な品々に敬意を払いながら、心残りのない遺品整理を目指してください。