佐伯市

概要

佐伯市は大分県南部に位置し、面積約903平方キロメートル、人口約58,000人（2025年時点）の市です。市域は豊後水道に面し、中央部の山地と沿岸の平野部が広がる多様な地形を有しています。漁業と農林業を中心に、観光業も地域経済の重要な柱となっています。

歴史的背景

佐伯の地名は古代の佐伯郡に由来し、中世には佐伯氏の城下町として繁栄しました。江戸時代には佐伯藩の城下町として整備され、海運と林業が地域の経済活動を支えました。明治維新後は町村制の施行と合併を経て1954年に市制施行が行われ、平成の大合併では周辺町村を編入し現在の佐伯市が形成されました。

特徴

佐伯市は漁港を中心とした水産業が盛んで、カツオやシイラ、タイなど多様な魚種が水揚げされます。農業ではミカンやシイタケ栽培が行われ、清流を利用したワサビ栽培も地域ブランドとして知られています。林業ではスギやヒノキの人工林が広がり、木材加工業も発展しています。

文化と観光

佐伯城跡や歴史的町並みが残る「佐伯城下町」は城山公園として整備され、散策に適した景観を提供します。有田の棚田や大入島、米水津（よのうづ）半島など豊かな自然景観が点在し、釣りやシーカヤックなどのアクティビティが楽しめます。毎年8月には「佐伯ごまだし祭り」が開催され、郷土料理のごまだしをテーマにステージイベントや屋台が賑わいます。

自然と交通の利便性

佐伯市はJR日豊本線の佐伯駅が市の玄関口で、大分市や宮崎市方面へのアクセスが可能です。道路交通では東九州自動車道の佐伯ICが利用でき、車での移動が便利です。市内には路線バスが運行し、主要観光地や公共施設へのアクセスをサポートしています。