FAQ
遺品整理と防災グッズ:命を守る備えの見直し方
遺品整理の最中、押し入れや棚の奥から見つかることが多いのが「防災グッズ」です。非常食や懐中電灯、携帯トイレ、乾電池……けれど、それらが“何年前のもの”か、すぐに答えられる人は多くありません。
遺品整理は、故人の生きた証を整理する行為であると同時に、“今を生きる人の暮らし”を見直すきっかけにもなります。特に防災用品に関しては、そのまま引き継ぐのではなく、一度立ち止まって見直すことがとても重要です。
遺品整理の過程で出てきた防災グッズをどう扱うべきか、そして防災の観点から“これからの備え”をどう整えるかを解説します。
1. 遺品整理で出てくる防災グッズの特徴
多くの場合、防災グッズは「いつかのため」に購入され、使われないまま保管されています。遺品として出てくる防災用品には、以下のような傾向があります
■賞味期限が切れた非常食や飲料水
■劣化した電池・点灯しない懐中電灯
■古いラジオ・破損した携帯トイレ
■当時の災害対策に偏った内容(今の時代にそぐわない)
こうした物を無理に残す必要はなく、いったん「今の視点」で見直すことが求められます。
2. 遺品の中の防災用品をどう扱うか
① 状態を確認
食品や飲料は賞味期限をチェック
懐中電灯やラジオは動作確認(電池の液漏れに注意)
医薬品類は使用期限や保存状態を確認
② 使用可能なものは“引き継ぐ” 状態が良好なものは、家族で再利用できます。防災リュックや備蓄棚に加える前に、リストアップして不足分を補いましょう。
③ 使えないものは処分 不要な備蓄は、自治体のルールに従って分別・処分。特に古い電池や薬品は注意が必要です。
3. 防災を見直す3つの視点
家庭の構成に合っているか? 乳幼児、高齢者、ペットがいる場合は、それぞれに合った備えが必要です。
地域のリスクに即しているか? 地震、台風、浸水、豪雪など、住んでいる地域の特性に応じた備えを整えましょう。
持ち出し・在宅避難の両方を想定しているか? 避難所に行けないケースも考え、家にこもって過ごすための備えも必要です。
4. 整理を機に、家族で“防災会議”を
遺品整理を通じて防災用品を見直すのは、自分と家族の命を守るチャンスでもあります。
■各自の持ち出し袋を用意する
■食料や水を定期的に入れ替える(ローリングストック)
■防災グッズをリスト化して、家族と共有する
■スマホの充電手段(モバイルバッテリー・手回し発電)も確認
1年に1度、「防災点検の日」を設けてチェックする習慣をつけると安心です。
5. 遺品整理から“生きる備え”へ
防災用品は、「あっても使わないもの」ではなく、「ないと命を守れないもの」です。故人が備えていたことに敬意を払いつつ、それをきっかけに“いま必要な備え”へと更新していきましょう。
不要な物を処分することと、新しい防災意識を持つことは、どちらも命を守る行動の一環です。
まとめ
遺品整理で見つかる防災グッズは、過去からのメッセージでもあります。「備えることの大切さ」を教えてくれる存在です。
その想いを無駄にせず、今の暮らしに合った備えへとアップデートしていくことが、故人から受け継ぐ“生きる知恵”になるのではないでしょうか。
遺品整理を通じて、家と心と命を整える??そんな前向きな一歩として、防災グッズの見直しを始めてみてください。