臼杵市

概要

臼杵市は大分県南東部に位置し、面積約217平方キロメートル、人口約62,000人（2025年時点）の市です。有明海と豊後水道の二つの海域に接し、沿岸部の漁業や農業、内陸部の歴史文化資源が調和した地域です。市街地は臼杵湾を望む臼杵港周辺と、温泉地・山間部を擁する野津（のづ）地区に大きく分かれます。

歴史的背景

臼杵は古くより海の玄関口として栄え、中世には臼杵氏の本拠地でした。江戸時代には臼杵藩の城下町として整備され、古い町並みと武家屋敷が残ります。特に国宝・臼杵石仏は8世紀から9世紀にかけて磨崖仏として刻まれた仏像群で、江戸時代に再発見されて以降、宗教的・文化的価値が高く評価されています。明治以降は交通網の発達と温泉開発により、文化観光都市としての地位を確立しました。

特徴

臼杵市は石仏や古い町並みなど歴史資源に加え、波静かな臼杵湾の漁業と、豊後水道の魚介類を活かした海産加工業が地域経済を支えています。野津地区には山間部の田園風景と温泉地が点在し、農林業と観光業が連携した地域振興が進められています。市内の農産物では梨やトマト、茶などの栽培が盛んで、地元特産品として販売されています。

文化と観光

臼杵市の代表的な観光地は国宝・臼杵石仏、石畳の町並みが残る「八町大路」、旧清水邸など歴史的建造物が点在する城下町エリアです。臼杵城跡や武家屋敷群を巡る散策コースのほか、臼杵ふぐや関あじ・関さばなど海の幸を楽しむグルメスポットも充実しています。毎年10月には「石仏まつり」が開催され、石仏のライトアップや伝統芸能が旧市街を彩ります。

自然と交通の利便性

臼杵市はJR日豊本線の臼杵駅が最寄りで、大分市や宮崎市方面への特急列車が運行しアクセスが良好です。道路では東九州自動車道の臼杵ICが市中心部に近接し、車での移動も便利です。市内には路線バスが整備され、主要観光地や公共施設への移動をサポートしています。臼杵湾周辺では釣りやクルージングが楽しめるほか、野津地区の温泉やハイキングコースも観光資源として人気です。