うきは市

概要

うきは市は福岡県南東部に位置し、面積約117km²、人口約27,000人（2025年時点）の農山村都市です。筑後平野の南端に広がる柿畑や棚田、耳納連山の山林が調和し、豊かな自然環境と伝統的農業景観が特徴です。市の中心部は吉井町と浮羽町の旧町域を核とし、商工業と観光業も地域経済を支えています。

歴史的背景

うきは市域は古代より朝倉郡の一部として人々が暮らし、吉井町周辺には中世の城砦跡や古墳群が点在しています。江戸時代には棚田や柿畑の開発が進み、藩政期からの農業技術が継承されました。明治期に吉井町、浮羽町が成立し、大正から昭和にかけては炭鉱開発や製糖業が一時的に栄えました。平成17年（2005年）の合併によりうきは市が誕生し、地域の歴史と文化を一体的に発信しています。

市町村の特色

うきは市は「柿のまち」として知られ、甘柿、渋柿のほかブドウや梨など果樹栽培が盛んです。市内には柿加工所や果樹農園が点在し、秋には収穫体験や柿狩りイベントが観光の目玉となります。伝統的な棚田景観は日本の棚田百選にも選ばれ、里山保全と地域振興を両立させる取り組みが進んでいます。

文化と観光

観光資源としては、吉井町の白壁土蔵の町並み保存地区や古い町家を活用したギャラリー・カフェが人気です。耳納北麓地域には約600基の古墳が分布し、考古学的価値が高い「浮羽古墳群」が観光ルートに組み込まれています。毎年11月に開催される「うきは秋穫祭」では地酒や加工品の即売会、音楽や郷土芸能が会場を賑わせます。

自然と交通の利便性

うきは市はJR久大本線の筑後吉井駅およびうきは駅が交通拠点で、大分県日田市方面と福岡市を結ぶアクセスが可能です。車では九州自動車道の杷木IC（朝倉市域）から約15分で市内中心部へアクセスでき、国道210号や県道が市域を網羅します。市内にはコミュニティバス「うきはふるさとバス」が運行し、主要観光地や公共施設を結びます。サイクリングコースやハイキングコースも整備され、里山と川辺の自然を満喫できる環境が整っています。