那珂川市

概要

那珂川市は福岡県中央部に位置し、面積約51.45km²、人口約56,000人（2025年時点）の市です。福岡市の南郊に広がる住宅都市として発展し、緑豊かな山間部と市街地が調和した風景が特徴です。2018年10月に那珂川町が市制施行し誕生した比較的新しい市で、市名は那珂川流域に由来します。

歴史的背景

那珂川市域は古代より筑紫と豊前を結ぶ交通の要衝で、奈良・平安時代には太宰府政庁への往来路として機能しました。江戸時代には宮若郷の飛び地として肥前領下の小村が点在し、参勤交代や参詣道が往来しました。近代以降は農業地帯として発展しましたが、1960年代以降は福岡市近郊の宅地開発が進行。令和元年（2019年）には町制80周年を迎え、新たな発展を目指しています。

市町村の特色

那珂川市は清流の那珂川を背景に、農村景観と住宅地が共存します。特産品としてしいたけやユズ、イチゴの栽培が盛んで、直売所では地元産の野菜や果実が販売されます。また、市内各所で開催される「那珂川マルシェ」では地域の農産物や手工芸品が並び、地産地消と地域交流を促進しています。

文化と観光

那珂川市は歴史的寺院や名勝が点在し、聖福寺や浮岳山星野村の茶畑、筑紫耶馬渓とも称される傲来な渓谷美が楽しめます。年に一度開催される「那珂川市民祭り」では、武者行列や伝統芸能の演舞、バザーが行われ、市民の絆を深めます。近年はアウトドアイベントとしてラフティングや渓谷トレッキングも人気です。

自然と交通の利便性

那珂川市は福岡市中心部から西鉄バスで約30分の距離にあり、県道31号や都市高速道路の天神北ランプが利用可能です。公共交通では西鉄バスの「那珂川営業所」や「安徳」バス停が主要拠点で、博多駅・天神バスセンターとの直行便が運行されています。市内にはコミュニティバス「なかがわん」で主要公共施設や観光地を巡回し、車を使わない観光や移動にも対応しています。