遺品整理における車・バイクの処分方法

遺品整理を行う中で、故人が所有していた「車」や「バイク」に直面することもあります。日用品とは異なり、車両には名義・税金・保険などさまざまな手続きが関わるため、「どう処分すればいいのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。

遺品整理において車やバイクを適切に、そしてスムーズに処分するための方法や注意点を詳しく解説します。

1. 車・バイクの処分は「名義変更」または「抹消登録」が必要

車やバイクは所有者が死亡した時点で、相続人に名義変更するか、完全に処分する場合は「抹消登録（廃車手続き）」が必要になります。売却・譲渡・廃車いずれにしても、これらの法的手続きは避けて通れません。

車両の手続きを始める前に、誰が相続人なのかを確認し、車両の取り扱いについて全員の同意を得ておくことが重要です。相続人が複数いる場合は、「誰が相続するのか」「売却するのか」「廃車にするのか」を話し合って決めます。

必要に応じて、相続関係を証明する書類（戸籍謄本・遺産分割協議書など）を用意しましょう。

〈1〉売却する場合車両の状態が良好であれば、中古車販売業者や買取専門店に査定してもらい、売却が可能です。その際、必要な書類は以下のとおりです：

● 故人の除籍謄本

● 相続人全員の戸籍謄本

● 相続人代表の印鑑証明書

● 遺産分割協議書（相続人全員の実印押印）

● 車検証、自賠責保険証、納税証明書、リサイクル券など

〈2〉譲渡する場合家族や知人に譲渡する場合も、名義変更が必要です。基本的には売却と同様の書類が求められます。

〈3〉廃車（抹消登録）する場合車両を完全に処分したい場合は、運輸支局での抹消登録が必要になります。バイクの場合は軽自動車協会や市区町村役場で手続きします。

※ナンバープレートの返却、リサイクル料の確認、残存車検や自動車税の還付手続きなども忘れずに行いましょう。

廃車にかかる費用は、車両の大きさや業者によって異なりますが、おおよそ1～2万円が目安です。ただし、車検期間が残っている場合は自動車重量税や自賠責保険の還付を受けられることがあります。

また、リサイクル券が発行されている車であれば、解体業者に引き渡す際にリサイクル料が適用されるため、追加費用がかからないこともあります。

車両の処分後には、自動車保険の解約手続きや、月極駐車場を借りていた場合は契約解除も必要です。保険料の一部返金を受けられるケースもあるため、早めに連絡しましょう。

車やバイクの遺品整理は、日常品の処分に比べて手続きが複雑になりがちですが、事前に流れを知っておけば、スムーズに対応できます。まずは相続人同士での話し合いを行い、必要書類を揃えたうえで、売却・譲渡・廃車といった選択肢から適切な処分方法を選びましょう。

故人が大切に乗っていた車だからこそ、感謝の気持ちを込めて、丁寧に対応していくことが大切です。