FAQ
実家を空き家にしないための遺品整理の工夫
遺品整理を進めていく中で、多くの家庭が直面するのが「実家の今後をどうするか」という問題です。特に、両親が亡くなった後に誰も住まなくなった実家は、放置されることで“空き家”となり、さまざまなリスクを抱える存在になってしまいます。
実家を空き家にしないために、遺品整理の段階からどのような工夫をしておくとよいかを解説します。思い出の詰まった家を次の価値につなげていくためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
1. 実家を空き家にしないことの重要性
空き家を放置すると、以下のような問題が発生しやすくなります。
- 建物の老朽化や劣化
- 近隣住民とのトラブル(草木の伸び放題、害虫・動物の住みつき)
- 不法侵入や放火などの防犯リスク
- 固定資産税など維持コストの負担
家族にとって大切な思い出の場所である実家を、このような状態にしないためにも、遺品整理の段階から「次の活用」を見据えた準備が必要です。
2. 早めの遺品整理が“空き家化”を防ぐ第一歩
住んでいた人が亡くなった直後は、まだ家具や家財がそのまま残っていることが多く、「片付けるには心の準備ができていない」というケースもあります。
しかし、時間が経つほど物の整理は心理的・物理的に難しくなり、誰も手をつけられないまま放置されてしまうことに。
早めに家族で話し合い、少しずつでも遺品整理を始めることが、空き家化を防ぐ第一歩になります。
3. 実家をどう活用するかを整理と同時に考える
遺品を片付けながら、実家を今後どう使うのかを家族で検討していくことが重要です。
誰かが住む(子世代が住み継ぐ、賃貸に出す)
売却して第三者に住んでもらう
二拠点生活や週末拠点として活用する
いずれの選択肢を取るにせよ、家の中に大量の遺品が残っている状態では活用が進みません。整理と並行して方向性を定めることで、無駄な時間やコストを省くことができます。
4. 空き家化させないための遺品整理の工夫
① 「必要な物」と「手放す物」を明確に分ける 長年住んだ家には膨大な物が眠っているため、まずは“暮らしに必要な物”と“残す理由が明確な思い出の品”だけを選び出しましょう。
② 保留品を1か所にまとめて期限を決める すぐに判断できない物は一時保管場所を作り、「〇日までに確認する」など期限を決めると片付きやすくなります。
③ 収納の中まで徹底的に整理する タンスや押し入れなどの中身まできちんと整理することで、家全体の印象が変わり、次の活用のイメージがしやすくなります。
④ 清掃・修繕・撮影をセットで行う 片付けと同時に簡単な清掃や修繕を行い、記録として写真を残しておくことで、不動産としての価値を高めたり、家族への共有がスムーズになります。
5. 遺品整理後の家の“選択肢”を具体化する
遺品整理を終えたあとは、実家の今後について具体的に行動を起こしましょう。
売却のための不動産会社選び
賃貸に出す場合のリフォームや管理会社との相談
セカンドハウスやシェアハウスとしての可能性を検討
物が整理されている状態であれば、選択肢の幅が大きく広がります。場合によっては、自治体の空き家バンクや利活用支援制度を活用することもできます。
まとめ
実家を空き家にしないためには、遺品整理の段階から「次の暮らし」や「次の使い手」を意識することが重要です。
家の中を整理することは、単なる片付けではなく、「場所のバトンをつなぐ準備」でもあります。家族の思い出を守りつつ、家という資産を眠らせないための第一歩として、早めの遺品整理に取り組んでみましょう。
大切なのは、“残す”か“手放す”かではなく、“次へどうつなぐか”という視点です。