江津市

概要

江津市は島根県西部、日本海に面する市で、面積約438km²、人口約47,000人（2025年時点）を擁します。県南部の浜田市と接し、山陰地方の交通・物流の要衝として発展してきました。市内には江の川（ごうのかわ）が流れ、河口の港湾都市として海上輸送や漁業が盛んです。温暖な日本海側気候の下で、海・川・山の自然資源が調和する地域です。

歴史的背景

江津は古代より港町として栄え、江の川を通じた内陸部との物資輸送が主要産業でした。江戸時代には北前船の寄港地となり、北海道や北陸との交易で繁栄。明治以降は鉄道（山陰本線）の開通とともに陸路交通が発達し、港湾整備と工業化が進行。平成の大合併（2004年）で江津市、都野津町、有福町、美郷町、川本町が統合し、広域市域として行政・産業基盤を拡充しました。

市町村の特色

江津市は漁業が主要産業で、ブリ、サバ、カニなど海産物の水揚げ量は県内有数です。沿岸部には漁港と加工場が整備され、新鮮な魚介を使った加工品や郷土料理「江津浜丼」が名物です。農業では江の川流域の水田でコシヒカリが生産され、果樹栽培ではみかんや柿が地域を彩ります。近年は観光と連携した体験農業や漁業体験プログラムに取り組み、地域活性化を図っています。

文化と観光

江津市は熊野大社（石見神楽の発祥地）をはじめとする神社仏閣が点在し、石見神楽の公演や伝統行事が年間を通じて行われます。海岸部の有福温泉や翡翠色の海が望める「みなとおおがき海水浴場」は観光客に人気です。江津駅周辺はレトロな商店街が残り、歴史散策と食文化を楽しむことができます。毎年夏の「ごうつ港まつり」では花火大会や港内クルージングが催され、海の祭典としてにぎわいます。

自然と交通の利便性

江津市はJR山陰本線の江津駅が市の玄関口で、松江駅へ普通列車で約1時間、広島方面へも直通バスが運行されています。道路交通では山陰道（無料区間）の江津ICが利用でき、国道9号が市内を縦断します。江の川を活用した舟運や河川観光も行われ、市街地と自然環境が一体となったアクセス環境が整備されています。