下松市

概要

下松市は山口県南東部、瀬戸内海に面した面積約59km²、人口約52,000人（2025年時点）の市です。周南市と岩国市に挟まれた位置にあり、製造業と商業が発展しています。市名は古来より「くたまつ」と呼ばれ、港湾を中心に栄えてきた歴史を持ちます。近年は市街地再開発や住宅地整備が進み、住みやすいコンパクトシティを目指しています。

歴史的背景

下松の地は古代より周防国の海上交通拠点で、奈良時代には郡衙が置かれていました。江戸時代には長州藩領となり、陣屋（松山陣屋）が設けられ港湾や塩田の開発が行われました。明治以降は製鉄業や造船業の誘致で工業が急速に発展し、昭和30年代にはプレス工業や電子機器産業も加わり、周南工業地域を形成しました。

市町村の特色

下松市は自動車部品、電子部品、プラスチック成形などの製造業が集積する工業都市です。市内各地には工場が立地し、雇用を支えるとともに工場見学や産業観光にも注力しています。また、漁業では瀬戸内海の漁場を活かしたカキ養殖が行われ、新鮮な海産物を提供する直売所や飲食店が点在します。

文化と観光

下松市の観光スポットには、港を望む片山展望台や神石高原都市の自然体験施設があります。市内には下松市歴史民俗資料館があり、郷土資料や工業の歴史を学べます。毎年秋に開催される「くたまつ港まつり」では、花火大会やマリンイベントが行われ、地域の文化交流が図られます。

自然と交通の利便性

下松市はJR山陽本線の下松駅が市の玄関口で、岩国駅まで約15分、徳山駅まで約10分でアクセスできます。道路では山陽自動車道の熊毛ICが近接し、広島方面・下関方面への車移動も便利です。下松港からは周辺離島への定期連絡船が運航し、海上交通も整備。市内には路線バスが運行し、市街地や工業団地への移動がスムーズです。