総社市

概要

総社市は岡山県南西部の吉備平野に広がる市で、面積約411km²、人口約13万人（2025年時点）を擁します。市名の由来となった吉備の国の神々を祀る「総社」が置かれた歴史を背景に、農業と工業が調和した地域経済を築いています。平坦な地形と肥沃な土壌が特徴で、米や果樹、野菜のほか酪農が盛んに行われ、地産地消のライフスタイルが根付いています。

歴史的背景

総社市の起源は古代にまで遡り、7世紀に吉備国のすべての神々を合祀する吉備総社宮（現・総社宮）が創建されたことに始まります。中世には武士団の城下町として発展し、江戸時代には宿場町や河川港として物流の拠点となりました。明治以降は町村合併を繰り返し、2004年の市制施行により現在の市域が確立。古代から近代にかけての文化遺産が各地に残ります。

市町村の特色

総社市は米作を中心とした稲作地帯として知られる一方、桃やぶどうなど果樹栽培が盛んで、観光農園や直売所が多彩に展開されています。特にピオーネやマスカット・オブ・アレキサンドリアのブランド栽培が注目を集め、地元のワイナリーや加工施設が地産ワインやジャムを手掛けています。また、吉備真備公園をはじめとする広域公園の整備や、サイクリングロードの開発により農村観光が推進されています。

文化と観光

総社市には古代吉備文化の名残を伝える吉備津彦神社や吉備真備ゆかりの史跡、吉備路風土記の丘など資料館・遺跡群が点在し、歴史散策が楽しめます。自然景観としては高梁川水系の清流や旭川の河川敷があり、カヌーや釣り、河川公園でのバーベキューが家族連れに人気です。毎年10月に開催される「総社市農業祭」や「吉備路マラソン大会」では、地元産品の試食・販売とスポーツイベントが地域の一体感を醸成します。

自然と交通の利便性

総社市はJR吉備線総社駅が中心駅となり、岡山駅へは快速列車で約15分の距離です。道路では岡山自動車道総社IC、国道180号・429号が市内を貫き、車での物流・通勤が便利です。公共交通には岡電バスやコミュニティバスが運行し、市内各地へのアクセスを支えています。市北部には岡山空港も近接し、航空アクセスも良好です。サイクリングでは「吉備路サイクリングコース」が整備され、田園風景と古代遺跡を巡るルートが人気です。