行橋市

概要

行橋市（ゆくはしし）は福岡県北東部に位置し、面積約84.56km²、人口約66,000人（2025年時点）の市です。市内を市街地と農村、工業地域がバランスよく構成し、山陽新幹線の新駅計画など将来の成長が期待されています。周防灘に面した温暖な気候と豊かな田園風景が共存し、住みやすさと産業基盤の安定を両立した都市です。

歴史的背景

行橋の地は古代において周防国と豊前国の接点にあたり、奈良・平安時代には官道が敷設され交通の要衝でした。中世には鎌倉期の寺院跡も残り、江戸時代には小倉藩領として宿場町や農村が発展しました。明治時代から大正期にかけては筑豊炭田の沖合いに石炭輸送の拠点港が整備され、昭和期には鉄鋼や化学工業が誘致され、地域経済が多角化しました。1992年に市制施行し、新しい行政とまちづくりが始まりました。

市町村の特色

行橋市は工業団地での金属加工や電子部品製造が主要産業であり、地元企業が全国のサプライチェーンに参加しています。また、近年は農業振興にも注力し、ブランド米「行橋ひのひかり」や花卉栽培が展開。沿岸部の漁業ではアジ、タコの水揚げが行われ、新鮮な魚介を活かした加工品も開発されています。市は「海」と「山」と「都市」の三環境調和をテーマに、住みよい地域づくりを推進しています。

文化と観光

行橋市では毎年夏に「行橋港まつり」が開催され、花火大会や海上パレードが行われます。歴史的には江良浜の古代遺跡や曽根崎八幡宮の祭礼が地域文化を伝え、伝統芸能の「行橋どんたく」では踊りや山車が市内を彩ります。名所としては海岸線の美しい夕陽スポット「大里海岸」や、里山のハイキングコース、れんげ畑の景観が楽しめる農村地域があります。道の駅「ゆくはし花ゆう館」は地元産品の直売所と温浴施設が併設され、観光と地域交流の拠点となっています。

自然と交通の利便性

行橋市はJR日豊本線の行橋駅が交通の中心で、博多駅へは快速で約50分、北九州方面へも約30分でアクセス可能です。道路交通では九州自動車道の苅田北九州空港ICが近く、北九州空港へのアクセスが便利です。市内にはコミュニティバス「ゆくはしバス」が運行し、主要公共施設や観光地を結んでいます。さらに、自転車道やウォーキングコースが整備され、海岸や里山を身近に楽しめる環境が整っています。