山口県

概要

山口県は日本の中国地方西部に位置し、面積約6,112km²、人口約140万人（2025年時点）を擁します。本州最西端に広がる地形で、瀬戸内海と日本海の両面に海岸線を持ち、下関市から岩国市、山口市を経て萩市まで多様な景観が連続しています。温暖な瀬戸内気候と日本海側気候が混在し、農林水産業、観光業、製造業がバランスよく発展しています。

歴史的背景

古代には長門国と周防国に分かれ、奈良・平安時代の律令制下で海上交通と交易の要地となりました。中世には大内氏が地方政権を確立し、山口市を「京兆」の名で栄華を極めた文化都市としました。戦国時代には毛利氏が台頭し城下町を整備、長州藩として幕末・明治維新期に活躍。下関の馬関戦争や幕末の開港など、国際交流と近代化の先駆けとなりました。

特色

山口県は夏みかん、瓦そば、ふく（河豚）料理など独自の食文化を誇ります。製造業では宇部市の化学コンビナートや防府市の電子部品工場が産業基盤を支え、岩国市のマツダ工場は世界的な自動車生産拠点です。県内には多数の温泉地が点在し、湯田温泉、長門湯本温泉など湯治文化が根付いています。自治体は観光振興と地域活性化策として「やまぐち幕末維新体験旅行」など歴史観光を推進しています。

文化と観光

山口市の瑠璃光寺五重塔は国宝に指定され、紅葉や桜の名所です。萩市は城下町と武家屋敷群が世界遺産登録され、伝統工芸や歴史散策が楽しめます。下関市では海響館の水族館や唐戸市場の活気ある鮮魚市、角島大橋の絶景が観光名所。岩国市の錦帯橋は美術的価値が高く、年に数回の流鏑馬神事や藤まつりが知られています。周南市の徳山動物園や防府市の防府天満宮など、多彩な文化施設と祭りが県内各地で開催されます。

自然と交通の利便性

山口県は山陽新幹線の新山口駅、山陽本線・山陰本線・山口線など鉄道網が充実し、新山口駅から新幹線で広島まで約30分、博多まで約1時間です。道路では山陽自動車道、中国自動車道、山陰自動車道が網の目のように整備され、県内アクセスが良好。下関市の関門海峡大橋や関門トンネル、山口宇部空港と萩・石見空港が国内外との連絡を担い、観光客やビジネス利用者の利便性を高めています。海岸線には国立公園・周防大島や角島など多彩な海辺のレジャー資源が点在し、サイクリングやマリンスポーツも楽しめます。