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相続放棄するなら遺品整理はNG?注意点やリスクについて解説

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コラム

被相続人に多額の負債があることがわかっている場合、相続放棄を考えることになります。しかし、被相続人の財産、所有物、契約等にうかつに触れてしまうと相続を放棄することができなくなってしまうため注意が必要です。相続放棄を考えるなら、緊急対応が必要なケースや管理義務があるケース以外、基本的に何にも手を付けることはできないと考えましょう。

相続放棄するなら遺品整理はNGです

家族の誰かが亡くなりあなたが相続人になったとしましょう。あなたは亡くなった人に多額の借金があることを知っています。相続人は財産がマイナスだったとしても相続しなければなりませんが、あなたにはそれを支払うだけの経済力がありません。

そんなときに考えられるのが「相続放棄」です。相続を放棄することで借金の支払いからあなたは逃れられますが、相続人としてやらなければならないことがあるため、注意して行動する必要があります。書き出しで紹介したように被相続人の財産や所有物、契約等にうかつに触れてしまうと、相続を放棄することができなくなってしまうからです。

こうなると当然、遺品整理もNGです。遺品整理をしてしまうと、相続を認めたことになってしまいます。

整理してよいものもある

相続放棄するなら遺品整理はNG。とはいえ、整理してよいものもあります。それは特に価値がないと考えられるものです。

相続の対象になるのは、経済的・金銭的に価値があるものだけです。あとでくわしく紹介しますが、現金や預貯金、有価証券や貴金属等に触れることはできません。

しかし、たとえば故人が日常的に着用していた衣類、使用していた文具や小物、思い出の写真などに触れることに問題はありません。

要は、少しでも金銭的価値があるなら触れなければよいわけです。

もしも判断に迷うようなものが出てきた場合は、まずは触れずに弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄するならやってはいけないこと

相続放棄するときにやってはいけないことは、実はたくさんあります。すでにお話をしていますが、ものでない事柄の整理も含まれるので注意しましょう。

預貯金の解約や名義変更、引き出し

被相続人の財産である預貯金に手を付けてしまうと、相続を認めたと判断されて相続を放棄することができなくなってしまいます。これを知らずに引き出してしまった場合は、使わずに戻せばわずかながらでも相続を放棄できる可能性はありますが、とにかく勝手にさわらない…これが原則です。

車を処分

車も相続財産なので、価値がはっきりしないのであれば手を付けるべきではありません。高額の財産と認められなければ処分しても問題はないかもしれませんが、これはご自身で判断できるようなことではないので、弁護士等に相談してから扱いを考えたほうがいいでしょう。

建物の売却

建物も当然のことながら相続財産なので、売却や解体などをしてしまうと相続を放棄することができなくなってしまいます。建物に手を入れる(修復など)ことについては認められています。

すでに住んでいる建物の相続を放棄する場合

たとえば、親名義の家に同居していたけれども、親が亡くなったときに相続を放棄したいというケースです。この場合、相続を放棄する人がその家にすでに住んでいることになるため、他の相続人が決まるまで、または相続財産清算人が決まるまでは、相続をする意思がなくてもその建物を適切に管理する必要があります。

雨漏りが発生するなどして同居していた家の資産価値が落ちる可能性がある場合は、適切に管理して建物を維持する必要があります。

賃貸物件等解約する

賃貸物件等の契約を解約することもやめましょう。

実はこれ、とても難しい問題です。なぜなら、大家さんや不動産管理会社からこれを求められることが多いからです。ただ、相続を放棄するのであれば単純に解約に応じるわけにはいきません。話し合いを持つなどして先方から解約してもらえば、相続を承認したとは認められません。

緊急の対応が必要な場合はその限りではない

緊急の対応が必要な場合、たとえば、被相続人が孤独死していることがわかったときなどは、待ったなしで対応する必要があるので、遺品を整理しても相続の放棄が認められる場合があります。

孤独死の現場は、特殊清掃や大がかりなリフォームをしないと原状回復することが難しいので、相続を放棄する意思があったとしても、速やかに行動しましょう。

税金や公共料金等の支払い

未払いになっている被相続人の税金や公共料金等を、被相続人の口座に入っているお金や現金等で支払ってしまうと、相続を承認したと見なされてしまいます。支払わなければならないのであれば、自腹を切りましょう。

携帯電話を解約する

携帯電話も月々の支払いがあります。口座引き落としになっている場合もあるので難しいところではありますが、解約してしまうと相続を承認したと考えられてしまうので、すべての手続きが終わるまではそのままにしておいたほうがいいでしょう。

入院費用の支払い

被相続人が生前に入院していた病院の費用を、相続財産から支払ってしまうと相続を承認したと判断されてしまう可能性があります。税金や公共料金等の支払いと同様に、ここは自腹を切りましょう。

相続放棄するときにやってもいいこと(でも注意しながら)

やると相続を承認したと言われてしまいそうなことでも、実はやってもいいことがあります。日本の慣習として認められていることがこれに該当します。

形見分け

形見分けは、家族や親戚のほか、親交の深かった人たちに故人の持ち物を分け与えることです。この形見分けは、相続を放棄する意思がある場合でも認められています。

しかし、もちろん注意が必要で、財産価値があるものを形見分けすることはできません。よく「形見の腕時計」なんて言葉を聞きますが、高額な腕時計は財産価値があると考えられるので、形見分けすることは難しいでしょう。「財産としての価値はないけれども思い出になるもの」という基準で選ぶことをおすすめします。

お墓や仏壇、葬儀費用の支払い

お墓や仏壇を購入することなどそう頻繁にはありませんが、仏壇はともかくお墓を建てるとなるとけっこうなお金がかかります。葬儀費用も同様で、最近は「家族葬ならおいくら万円から」などという広告も見かけますが、以前よりも安くはなったものの、それでもけっこうなお金がかかります。

お墓や仏壇、葬儀関連の支払いについては、相続を放棄する場合でも故人の資産を使ってもかまわないとされています。ただ、ここであまりにも高額な出費をしてしまうと認められない可能性が高いので、あくまで常識的な金額でなければなりません。

相続放棄するなら知っておくべきこと

相続放棄するなら知っておくべきことをまとめてみました。

相続放棄の手続きは相続の発生を知ってから3ヶ月以内に

相続放棄の手続きを行う期限は比較的早く設定されていて、相続が発生することを知った日から3ヶ月以内に行わなければなりません。この期限が延長されることは基本的にありませんので注意しましょう。

相続を放棄するしないにかかわらず、被相続人の財産について調査しなければなりませんが、ゆっくりしているとあっという間に期限が来てしまいます。

相続放棄の取り消しは不可

一度相続を放棄することを申請してしまうと、これを取り消すことはできません。取り消せるのは、たとえば判断能力に支障がある人が他人にだまされるなどして相続放棄したなど特別なケースに限られます。

遺品整理のことで不明な点は「TSUNAGU」にご相談ください

相続を放棄するケースでは、この記事で紹介してきたようにやっていいこととやってはいけないことがあります。しかし、判断が難しい微妙なケースもあるので、そのような場合は弁護士など法律の専門家に相談する必要があります。

経験豊富な遺品整理士が在籍する「TSUNAGU」も、遺品整理に関する相談を受け付けています。孤独死のケースなど迅速な対応が必要な場合でも対応可能ですので、お困りの方はぜひご連絡ください。

まとめ

相続ではプラスの財産だけではなくマイナスの財産も引き継がなければならないため、相続の放棄を考えなければならないこともあります。その場合、3ヶ月の期限内に放棄を申請する必要があるため、慎重になりつつも迅速に行動しなければなりません。

相続を放棄する際は、葬儀やお墓、仏壇の費用を除き、基本的には被相続人の金品や有価証券、不動産、その他の価値があるものには触れないことが重要です。判断が難しい場合は、法律の専門家に相談することをおすすめします。

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