ごみ屋敷というと、見たことはあるけれども、自分で片付けることなど考えたこともないという人がほとんどだと思います。しかし、ごみ屋敷はあなたが思っているよりも身近な社会問題です。あなた自身ではなくても、あなたの近くにいる誰かが、ごみをためこんでしまうことは、もしかしたらあるかもしれません。そんなとき、ごみ屋敷を自力で片付けることはできるのでしょうか?
ごみ屋敷を自力で片付けることは可能?
家の中から玄関、庭に至るまでごみでいっぱいになっているごみ屋敷。近所で見かけたことはなくても、テレビやインターネットでもよく話題になっているので、皆様もご存じのことと思います。
仮にご家族や友人が住む家が、ごみ屋敷化したとしましょう。あなたは、彼らと協力してそのごみ屋敷を片付けることができると思いますか?
この問いには「程度による」としか答えられません。
基本的には業者に依頼
ごみ屋敷の片付けは、基本的には業者に依頼しましょう。いくつか理由がありますが、もっとも重要なのは、危険が伴うから。これにつきます。ごみ屋敷には、多くの場合、生ごみも放置されており、ゴキブリやハエなどの害虫、ネズミなどの害獣が発生し、ひどく不潔な状態になっています。腐って床が抜けてしまっている現場もあるほどですから、一般の方がごみ屋敷を自力で片付けることは基本的にはおすすめしません。
では、どんなごみ屋敷なら自力で片付けられるのでしょうか?詳しくはのちほどご紹介します。
ごみ屋敷を自力で片付けるメリット
自力で片付けられるごみ屋敷や、その片付け方を説明する前に、ごみ屋敷を自力で片付けることにどんな意味があるのか考えてみましょう。メリットとデメリットという視点で考えてみます。まずはメリットからです。
業者に頼むよりもお金がかからない
ごみ屋敷を自力で片付けられれば、業者に依頼する場合よりもお金はかかりません。ただし、現在、家にある道具や洗剤だけではおそらく足りないので、これらはお金を払って手に入れる必要があります。
スケジュールを自由に組める
ごみ屋敷の片付けを業者に依頼する場合は、よほど大きな家でないかぎり、数時間以内に作業が終わります。これはこれで大きなメリットですが、慌ただしすぎると感じる人ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。スケジュールを自由に組んで片付けられることはメリットだといえるかもしれませんが、スケジュールを自由に組めるからこそのデメリットもあります。
ごみ屋敷を自力で片付けるデメリット
ごみ屋敷を自力で片付ける場合は、メリットよりもデメリットのほうを多く感じることになります。
体力や時間をむだに消費してしまう
ごみ屋敷の片付け作業はハードです。テレビで報道されるレベルのごみ屋敷だと、専門の業者が担当しても、体力を消耗し、それなりに作業に時間を費やさなければなりません。
ごみ屋敷を自力で片付けるとなると、業者ではないので1日ですべてを片付けることは難しいでしょう。体力や時間をむだに消費してしまうことは、自力で片付けるデメリットだと言わざるを得ません。
ごみを分別して自己搬入する必要がある
自治体により対応は異なるものの、ごみ屋敷のごみのような大量ごみは、分別したうえでごみ処理施設に自己搬入して処分しなければなりません。通常の収集日に出せるごみはごみステーションに出してもかまいませんが、大量のごみをステーションに出すのはNGです。
それにしても、大量のごみを「分別」して、自ら車に積み込んでごみ処理施設に搬入することは、なかなかの重労働ではないでしょうか。
完璧に片付けることはできない
ごみ屋敷を自力で、しかも完璧に片付けることは不可能です。生ごみが含まれる場合は確実に害虫が発生し、悪臭を放つ汁が床や壁に染みこんでいることもありますが、このような汚れや悪臭は、市販の薬品では取り除けません。完全にきれいにするには、特殊清掃が必要になることもあります。ある程度以上の汚れた現場は、自力で完璧に片付けることはできないと考えましょう。
自力で片付けられるごみ屋敷とは?
ごみ屋敷は業者に依頼して片付けるのがおすすめですが、ここからは自力で片付けられるごみ屋敷とはどんなものなのか説明します。以下に紹介する条件に合致すれば、自力で片付けられる可能性があります。
3DK以下の広さ
ごみがためこまれている場所が3DK以下の広さであれば、自力で片付けられる可能性があります。これ以上の広さになってしまうと、がんばったとしても1日で作業を終えることはできません。数日にわたる作業になるのであれば、業者に依頼するしかありません。
水回りが使える
ごみがためこまれているスペースがせまくても、水回りが使えないと片付けることができません。水は片付ける際に必要不可欠です。家にある水栓のどれでもいいので使えれば、片付けられます。
ごみがあまり積み上げられていない
ごみがあまり積み上げられていない安定した状態であれば、自力で片付けられる可能性があります。天井近くまでごみが積み上げられているような状態の場合は、業者に依頼しましょう。
作業スペースを確保できる
ごみが積み上げられていなくても、片付け作業を進めるスペースを確保できない場合はあきらめるよりほかありません。業者に依頼してください。作業スペースが確保できないと、ごみを分別して運び出すことも困難です。
かんたんに捨てられるごみしかない
自力でごみ屋敷を片付ける場合は、ごみを分別する必要があります。そのため、かんたんに分別して捨てられるごみでないと、作業に途方もない時間がかかってしまいます。自力で片付ける場合は、流れるようにごみを仕分けないといつまでたっても作業が終わらないので、ためこまれているごみの種類を見て判断しましょう。
ごみ屋敷を自力で片付ける手順
それでは、ごみ屋敷を自力で片付ける手順をご紹介しましょう。先述した条件に合致するごみ屋敷であっても、自力で片付けるのは大変なのでしっかり準備をして、手順どおりに作業を進めましょう。
手順1:ごみ処理施設の開場スケジュール、収集日の確認
自力でごみ屋敷を片付ける際は、ごみも自力で処分しなければなりません。通常のごみ収集日も利用しつつ、自治体にもよりますが、まとまった量のごみはごみ処理施設に自己搬入する必要があります。そのため、お住まいの自治体のルールを確認したうえで、ごみ処理施設の開場スケジュールと地域の分別収集日を確認しておきましょう。
手順2:スケジュールを立てる
何事も準備が大切です。ハードな作業になるごみ屋敷の片付けは、スケジュールを立てることがとても重要です。
ごみ屋敷の片付けは、少なくとも3人の人手を確保して行いましょう。ひとりやふたりでは困難です。できれば、集中して作業できるよう、連続して3日程度のスケジュールを組めれば理想的です。一気に作業を終わらせないと、集中力を保てなくなる可能性があります。連続でスケジュールを組むことが難しい場合は、人手を確保できる日に集中して作業するといいでしょう。
手順3:必要な道具や資材をそろえる
人手を確保し、スケジュールを立てたら、必要な道具や資材をそろえます。軍手、マスク、作業着(エプロン)、殺虫剤、ガムテープ、梱包紐、ホウキやバケツ、モップ、洗剤、バケツ、大量のごみ袋は必需品です。当然のことながら、ごみを運搬するための車も準備しましょう。
手順4:害虫を駆除
ごみ屋敷には、確実にハエやゴキブリなどの害虫が発生しています。できれば、片付け作業に入る1~2日前に殺虫剤をまいて害虫を駆除しておきましょう。ただし、これだけですべての害虫を駆除できるとはかぎらないので、殺虫剤をかたわらにおいて作業します。
手順5:ごみを片付ける
ごみを片付ける前に、捨てない物を確認しておきましょう。その後、「燃やせるごみ」「燃やせないごみ」「ペットボトル」など、ごみの種類ごとにごみ袋を用意して、どんどんごみを分別して袋詰めしていきます。ほとんどはごみだと思いますが、迷う物が出てきたら「保留袋」に仕分けておきましょう。ただし、基本は「迷わず捨てる」です。
片付けは、家の入り口に近い部分から始めます。別にごみを搬出できるルートがある場合はその限りではありませんが、入り口近くから作業を始めるのが効率的です。あちこち片付けるのではなく、エリアを区切り、そのエリアが片付いたら次のエリアという具合に作業を進めていきます。
手順6:ごみの搬出と掃除
ごみを分別して、保留袋に入れた物の取捨を決めたら、貴重品などの「捨てない物」がそろっているか必ずチェックしましょう。問題がなければごみを搬出して掃除をします。床が腐食していたり、汚れや悪臭がひどい場合は、自力でこれらを修復したり、取り除いたりすることは不可能です。業者に相談しましょう。
再びごみ屋敷になることを防ぐために
ひとたび、ごみ屋敷の住人が片付けることを決意して実際に片付けても、その人が根本的に変わらないかぎり、もしくは原因となっている病気などが治らないかぎり、片付けた場所がまたごみ屋敷になってしまうことはあり得ます。せっかく周囲の人が協力して片付けたのにこれではまったくの無駄骨です。難しい問題ではありますが、住人の様子を継続的に見守ってあげることが、またごみ屋敷に戻ってしまうことを防ぐために大切になるでしょう。
まとめ
ごみのためこまれているスペースがせまく、ごみがあまり積み上げられていないなど、一定の条件がそろえば、ごみ屋敷を自力で片付けることは可能です。3人以上の人手を確保して、計画的に、そして集中して作業を進めましょう。しかし、ごみ屋敷の片付けには危険が伴うことも忘れないでください。ごみ屋敷の片付けは、基本的には業者に依頼することをおすすめします。
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