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孤独死への対策7選・自治体や民間による問題への取り組みも紹介

 

少子高齢化社会が現実のものとなり、一人暮らしの高齢者が増えた今、問題になっているのが「孤独死」です。一人暮らしで、あまり人と会うことのない高齢者は、誰にも気づかれずにひっそりと亡くなってしまうことがあります。独居老人がこのようにひっそりと亡くなると、住まわれていた部屋のクリーニングは大変な作業になりますし、相続する人は、その費用を負担しなければなりません。そのため、何よりも孤独死を防ぐことが大切なのです。この記事では、孤独死への対策について考えてみたいと思います。

 

一人暮らしの高齢者の割合

 

65歳以上の一人暮らしをしている高齢者が人口に占める割合は、政府の推計で、2020年には約18%、人数にして約700万人に上ると見られています。この数字は、あくまで推計ではありますが、その5年前の2015年には、国勢調査により約16%(同600万人)であることがわかっていますから、かなり確かな数字といって差し支えないでしょう。男女別で見ると、一人暮らしの高齢者は女性のほうが多いのですが、これは平均寿命を考えると当然のことといえるのかもしれません。未婚の身で暮らす人が多いことを考えると、今後も一人暮らしの高齢者は増え続けるものと考えられます。

 

 

参照:内閣府 高齢化の状況

 

 

孤独死は高齢者だけの問題ではない

 

 

ただ、「孤独死」に注目すると、60~70代の高齢者の割合は多いものの、実は一人暮らしの50代の割合も多いことが特徴的です。孤独死者の平均年齢は約62歳。60歳未満の現役世代の孤独死は、孤独死全体の40%を占めています。

 

 

参照:日本少額短期保険協会孤独死対策委員会 第7回孤独死現状レポート

 

 

 

若くして独立し、一人暮らしを始める人のなかには、あまり地域と関わることなく生きてきて、隔絶された住環境のなか、誰にも気づかれることなく亡くなってしまう人たちもいます。この孤独死の問題を解決するためには、家族の形や地域と個人との関わり方について、今一度見直す必要があるのではないでしょうか。

 

孤独死は「一人暮らし」でなくても起こる可能性がある

 

多くの人にとって、孤独死というと、一人暮らしの老人だけの問題だと考えがちです。しかし、すでにご紹介したように、若年層の孤独死もありますし、めずらしいことではあるものの、近くに家族がいながら、気づかれずに亡くなる人もいます。

 

今や、家庭内別居はめずらしいことではありませんが、そのような家庭環境でも孤独死は起こる可能性があることを、私たちは認識する必要があるでしょう。

 

孤独死が発生しやすい環境

 

孤独死がもっとも発生しやすいのは、やはり一人暮らしの世帯です。なかでも、高齢男性の一人暮らし世帯には注意が必要です。男性は、一般的に女性よりも外部との関わりを持ちたがらない傾向があります。男性の一人暮らしは、引きこもりのリスクが高いため、ご家族は外部との関わりを持たす、何らかの努力をする必要があるでしょう。

 

孤独死する方の多くが、一人暮らしのうえに「無職」「持病あり」「家族を含め外部との交流が希薄」など、複数の問題を抱えています。

 

孤独死の死因や発見されるまでの日数

 

孤独死者の死因についてのデータも確認しておきましょう。こちらも孤独死現状レポートによると、若年者ほど自殺が多く、高齢者は病死の割合が増えます。

 

新型コロナウイルスの世界的流行により、家族を含む周囲との関わりを絶ち、その孤独からか自殺を選ぶという人も増えています。

 

一方、孤独死者が発見されるまでの日数は、「3日以内」が全体の約40%、「4日目以降14日目まで」が全体の約28%、「15日目以降29日目まで」と「30日目以降89日目まで」が各々約14%となっており、発見までの平均日数は18日です。

 

発見までに日数を要すれば要するほど、現場の清掃作業は難しいものになります。孤独死問題への抜本的な対策を考えることは、今や日本社会の義務だといえるかもしれません。早急に対策を立てる必要があります。

 

孤独死孤立死

 

孤独死という言葉のほかに、「孤立死」という言葉を聞いたことはありませんか?この孤立死という言葉もよく使われます。孤独死と孤立死に、とくにはっきりとした違いはないようですが、自治体などの資料においては、使い分けられていることもあるようです。

 

孤独死は、家族や近隣の人と関わりを持っていながら、病気などで一人、自宅で亡くなってしまう死の形を指します。

 

一方の孤立死は、家族や近隣の人との関わりがなく、完全に社会から孤立して、自宅でなくなってしまう死の形のことです。

 

どちらも寂しい死の形ではありますが、この問題への有効な対策を立てるには、この「関わり」や「つながり」という言葉がキーワードになるのではないでしょうか。

 

孤独死に対策しなければならない理由

 

人の命が、誰にも知られずに、孤独のうちに失われることを考えると、もちろんそのこと自体、重大な問題なので対策する理由になります。しかし、今、大きな問題になっているのは、孤独死が周囲にもたらす影響です。

 

孤独死が起こると、現場の清掃作業などのために、遺族はその費用を負担しなければなりません。現場が賃貸物件だった場合は、不動産としての価値に影響を及ぼします。遺族が見つからなければ、物件オーナー自らが原状回復の費用を負担しなければならないこともあります。

 

孤独死は、このように亡くなったその人ではなく、遺族や物件オーナーに悪影響を及ぼす死の形です。だからこそ、孤独死に対策しなければならないのです。

 

孤独死が起こったときの精神的ダメージ

 

人間は、死後、発見が遅れると、すぐに腐敗が始まります。孤独死現場の清掃作業は困難を極めます。ご遺族が対応できる状況ではとてもありません。

 

身近な人の変わり果てた姿には、想像を絶するものがありますし、現場の状況ひとつとっても、一般の方が身を置けるような場所ではありません。気づいてあげられなかったことへの無念の気持ちが加わることも思うと、ご遺族の精神的ダメージは計りしれません。

 

孤独死の現場をクリーニングすることを「特殊清掃」と呼びます。血液や体液、異臭などを取り除くためのクリーニングは、専用の薬剤や機材を使用する必要がある困難の伴う作業です。特殊清掃の料金は高額になるため、金銭的な負担も大きくなります。

 

孤独死への対策で重要なこと

 

孤独死をなくすために、もっとも重要な対策となるのは、孤立している人たちに、いかに外部との関わりを持たすかということです。その対策の鍵となるのが「地域」です。地域の活動、たとえばボランティアや趣味の集まりなどに孤立している人たちを参加させることで、外部と接する機会ができると、知らず知らずのうちに本人が生きがいを見いだして、引きこもることを防げる可能性があります。家族との交流はあっても、本人が家の外に出ないと何も始まりません。1日に1回、外に出るだけでも、近所の人の目に触れれば、孤独死のリスクを低下させられるのではないでしょうか。

 

家族と疎遠になっていたとしても、行動を起こすことで、家族との関係も元に戻るかもしれません。行動を起こすことで、万が一のことが起こったときへの心構えも持てます。

 

孤独死が増えている原因

 

ここからは、孤独死が増えている原因について考えてみましょう。ここまでの内容でも、孤独死に大きく関係しているのは、外部との関係断絶であることがわかるかと思いますが、さらに細かい視点で孤独死の原因を探ってみます。

 

近所づきあいの減少

 

「向こう三軒両隣」的なつきあいは、過去のものになってしまいました。もちろん、セキュリティー設備の整った住宅での暮らしが当たり前になり、それと同時に人々の情報セキュリティーへの意識が高まったことも、近所づきあいが希薄になった原因かもしれません。住宅地では、自治会が地域のまとめ役を担っていましたが、高齢を理由に自治会から抜ける世帯も増えており、加入率も大幅に下がっていると聞きます。

 

このように、近所づきあいが減ると、病気やけがで動けなくなってしまっても、誰にも頼れないという問題が発生します。これがまさに「孤立」の状態です。

 

先ほども少し触れましたが、一般的に近所づきあいをあまり求めず、引きこもりがちなのは男性です。女性は、これまでに地域の人々とも密につきあってきた方が多く、男性と比較すると孤立のリスクは高くありません。一人暮らしの高齢男性には、地域との関わりを増やす機会を作ってあげることがとても重要です。

 

会話の減少

 

一人暮らしの高齢者で、近所づきあいがないとなると、メールやチャットも含め、家族との会話がなければ、丸1日、誰とも会わず、誰とも会話しないことは容易に想像できます。1日中、誰とも会話しないことを想像してみてください。それがつづけば、どんどん孤立は深まります。会話の減少は、孤独死、孤立死を招く大きな原因のひとつです。

 

経済力

 

一人で気ままに暮らすライフスタイルを選び、孤立していく人もいますが、独立せずに両親と同居をして、両親が高齢になったときには介護で経済力が疲弊していく…生活に余裕がなくなり、両親亡きあとの生活も苦しく、孤立していく高齢者もいます。

 

経済力がなければ、老後を生き抜くことはできません。働き盛りの頃から計画的にお金を貯めて、老後に備えることはとても重要です。

 

孤独死への対策7

 

 

一人暮らしの高齢者、とくに男性の場合、積極的に外部とのつながりを持ちたがらないことは、すでにお話ししたとおりです。しかし、この状態を放っておくと、本人はこの状態でいいと思っていたとしても、死期が来ることを待つだけの生活になってしまいます。

 

本来なら、いっしょに暮らすことが最大の対策になるのですが、すでに確立されているライフスタイルを変えることは、多くのご家族にとって難しいことはまちがいありません。ここからは、孤独死への対策を紹介しているので、実現可能な対策があれば、ぜひ実践してみてください。

 

対策1:訪問サービスを利用

 

一人暮らしの高齢者の家を訪問して、家事など、生活関連のさまざまなサポートを提供しているサービスがあります。訪問サービスを利用すれば、あまり外に出たがらない人でも、ご家族は「誰かが定期的に訪れてくれる」という安心感を得られますし、もしものときでも迅速に発見することができるでしょう。

 

食事の宅配サービスのなかには、週に1回や1日1回、声かけをしてくれるものもあるようです。

 

対策2:デイサービスの利用

 

要支援、要介護に認定されている高齢の方ならば、デイサービスやデイケアなどの通所サービスを利用することも検討しましょう。すでに利用されている方も多いと思いますが、定期的に人と接し、体を動かし、頭を使うことにより、健康状態を良好に保てます。

 

対策3:カメラの設置

 

インターネット経由で屋内の様子を把握できるカメラを設置すると、高齢者の健康状態の把握や、防犯目的で使用することが可能です。個人で導入できるものもあります。

 

対策4交流促進

 

高齢者が集まる地域のイベントに参加させることで日常の交流を活発化させることも、孤独死対策になります。男性の場合は嫌がるかもしれないので、無理強いはしないでください。家にこもってばかりだと、地域からその存在を忘れられがちになってしまうため、少しでも外に出て、地域の人の目に存在を感じさせることはとても重要です。家族だけでなく、地域の人に「最近、見ないけど大丈夫だろうか?」と感じてもらえることが、孤独死への対策になります。

 

対策5:ボランティアへの参加

 

自由に動ける元気な高齢の方ならば、これまでに身につけた経験や知識を活かせるボランティアへの参加を提案してみてもいいでしょう。得意なことや好きなことであれば、外部とのつながりを積極的に持ってくれるかもしれません。活動的であることは、健康状態を良好に保つためにとても大切です。定期的に通うことになるので、異変が起こってもすぐに誰かに気づいてもらえます。

 

対策6SNSの利用

 

最近は、スマホを扱える高齢者が増えているため、SNSでつながり、交流を促進する試みをおこなっている団体があるようです。LINEやInstagramは、若者だけのものではありません。SNSなら、対面によりつながりを持つことが億劫な高齢者でも、コミュニティーに参加しやすいかもしれません。

 

対策7:老人ホームの利用

 

老人ホームの利用も、孤独死への対策です。一人暮らしの場合、いくら対策をとっても、孤独死のリスクがゼロになるわけではありません。しかし、老人ホームに入居できるのであれば、常にスタッフの目が行き届いているため、孤独死のリスクはゼロです。

 

老人ホームにも種類があるため、要介護度などの条件が定められている施設もありますが、「サービス付き高齢者向け住宅」などのホームであれば、要介護認定されていない元気な高齢者でも入居できます。

 

ホームや施設と聞くだけで話をしてくれない高齢者も多いので、やはり無理強いは禁物ですが、老人ホームへの入居は、究極の孤独死対策といえるでしょう。

 

自治体や民間における孤独死への対策

 

自治体や民間も、社会問題化している孤独死への対策に力を入れています。地域の高齢者や小さな子どもたちを、地域全体で見守るしくみを構築しようとしている自治体はたくさんあります。たとえば、何日分もの新聞が取り込まれていないなど、普通ではない状況を地域の人が見つけたときに、自治体が運営するホットラインに伝えることで、孤独死を未然に防ごうという取り組みが挙げられます。

 

民間では、郵便や宅配業者などが、定期的に高齢者の安否を確認するサービスを提供しています。電気使用量の検針員など、定期的に同じ場所を回る仕事をしているスタッフにより、著しく使用状況がおかしいときに、至急、ご家族などに連絡をするサービスを提供している民間業者もあります。

 

ITを活用した孤独死への対策

 

先ほどご紹介したカメラの設置も、ITを活用した孤独死への対策ですが、さらに進歩したシステムも孤独死への対策に利用されています。

スマホに内蔵されたGPSを利用した「見守り」のシステムはすでに実用化されています。スマートホームでも使用される温度センサーや人感センサーなどのセンサーを活用した見守りのシステムもあります。トイレやベッドなどにセンサーを設置することで、異常があった場合でも迅速に対応することを可能にするシステムです。

 

まとめ

 

孤独死を防ぐための基本は「つながり」です。これ以外にありません。一人を好む高齢男性であっても、離れて暮らすご家族だけではなく、できれば外出して、地域の人々と関わりを持ってもらうことが、本人にとっても、ご家族にとっても、安心につながることはまちがいありません。孤独死は今だけの問題ではなく、近い将来、孤独死を迎えることになるかもしれない将来の私たちの問題でもあるのです。

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