社会の高齢化が進むとともに空き家の数が増加の一途をたどっています。この空き家問題、最近は新聞やテレビでも取り上げられるようになり、ご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか?現にご両親が住まわれていた実家を空き家のままにしているという方もいらっしゃると思います。これからもますます増え続けると考えられている空き家とその問題について、この記事では考えてみます。
空き家問題の原因
空き家の増加には高齢化以外の要素も関係しています。まずは空き家がどうして問題化しているのか、その原因から考えてみましょう。
空き家はおもに、以下のような原因で問題化しています。
社会の高齢化
空き家が問題化している根本原因は、冒頭でも触れたとおり、社会の高齢化です。
空き家は、実はその性質により4つに分類されています。「売却用空き家」「賃貸用空き家」「二次利用空き家」、そしてこの3種類に分類されない「その他空き家」です。
空き家問題の原因になっているのは、用途のない「その他空き家」であることはおわかりいただけると思います。
2018年に総務省がおこなった統計調査によると、「その他空き家」の数は347万戸でした。この数は20年前の約2倍に相当します。
(参考:総務省 平成30年住宅・土地統計調査
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/g_gaiyou.pdf)
「その他空き家」は用途の決まっている空き家と比較して、どうしても管理が行き届かないところがあるためどんどん傷みが進んでいってしまいます。
日本の人口は減少していますから、それを考えただけでも空き家が増えているのは当然のことです。人口が減っていくと街からは活気が失われていきます。そうなると、これまでは成り立っていた公共サービスが成り立たなくなるという事態も発生します。道路の傷みが修復されずにいる地域をときどき見かけることがありますが、このような地域の多くが、住人の高齢化が進んだ住宅地です。人口が減れば、その地域にあった病院、銀行などもなくなることがあります。このような減少は悪循環を呼び、さらに空き家の増加を加速させるのです。
オーナーの事情
オーナーが問題を抱えていて、空き家の活用が進まないために空き家が問題化している側面もあります。
「その他空き家」のオーナーの多くが、親から家を相続した子どもです。空き家を活用したくてもどうすればよいのかわからないという人もいれば、相続のことで兄弟などとトラブルを抱えていて、活用したいけれども活用できないという人もいます。親が大切にしていたことや思い出があることを理由に活用に踏み切れないという人もいます。
高齢のオーナーが存命だけれども、すでに施設に入居しているなどして「その他空き家」になっているケースもあります。このケースでも管理が行き届かず、空き家はそのまま放置されがちです。
施設に入居していてもオーナーはオーナーですから、オーナーのはっきりとした意志がなければ子どもたちいたとしても、彼らが空き家の扱いを決めることなどできません。子どもたちが管理できたとしても、その負担は重くなります。
死を自宅で迎えたいという高齢者は多いものです。売却をすすめたとしても、長い人生を共にした思い出のある家を処分することに同意してくれる親はそうはいません。
しかし、いかなる事情があったとしても、現に空き家は社会問題になっているわけですから、国や地方自治体は対策をとる必要があります。「空家等対策特別措置法」や各自治体が制定している「空き家条例」が、まさにその対策です。
空き家問題への対策
空き家は空き家でも正しく管理されているのであれば、それほど大きな問題にはなりません。空き家が問題化しているのは、高齢化やオーナーの事情により管理の行き届いていない空き家が増えているからです。
国は2014年、増え続ける空き家への対策として「空家等対策特別措置法」を制定しました。
この法律は、日本全国に存在する空き家の現状を調査することを目的とし、管理の行き届いていない空き家を減らすために、オーナーへの助言や指導、勧告、命令することを可能にしています。
この法律により所有している空き家が「特定空家」に指定されてしまうと、上記の助言などが自治体により行われることになりますが、仮にこれらに従わなかったとすると、行政代執行まで行われる可能性があります。
特定空家とは
特定空家とは、近隣住民に危険を及ぼす可能性が高い空き家のことです。倒壊を含む、近隣の家を命の危険にさらす空き家、いわゆる「ごみ屋敷」のような害虫や異臭を発生させている空き家、管理が行き届かず、お化け屋敷のごとく街の景観を害している空き家は特定空家に指定されてしまいます。
空き家オーナーの多くが、税負担の増加を避けるために空き家をそのままにしています。空き家を解体して更地にすると、固定資産税の特例措置を利用できなくなり、税負担が増すからです。
空家等対策特別措置法により特定空家に指定されてしまうと、この特例措置の対象からは外されてしまいます。今まで受けられていた恩恵が受けられなくとなると一大事です。所有している空き家を特定空家に指定されることは、絶対に避けなければなりません。
空き家問題解決のためにオーナーができること
空き家を適切に管理することはオーナーの義務ではありますが、さまざまな障壁があり、やむなく空き家を放置しているというオーナーは多いはずです。しかし、国も自治体も、ご紹介したとおり、空き家への対策を強化しています。空き家問題解決のために、オーナーはどんなことができるのでしょうか?
まずは相談を
空き家は管理を怠るといずれ朽ちてしまいます。行政は空き家対策の法律や条令を制定して空き家対策を強化すると同時に、空き家に関する相談窓口を設けて空き家オーナーを支援しています。
まずはお住まいの自治体に相談窓口があるかどうか調べてみましょう。自治体に相談することで、士業や宅建業者など、ふさわしい相談先が見つかる可能性があります。
空き家バンクへの登録
空き家の活用方法がわからない場合は、空き家バンクに登録して購入相手や入居者を探す方法もあります。ただし、現状は利用者が少なく、活用につなげられることも少ないようです。似たようなサービスを提供しているNPOもあります。
リフォーム
それほど傷んでいない空き家なら、リフォームすることで活用につなげることも可能です。空き家のリフォームを支援する制度を設けている自治体もあります。
解体
空き家を解体して活用につなげる方法もあります。リフォーム同様、支援制度を設けている自治体もあります。
管理サービス
多忙なために空き家を管理することが難しい場合は、管理サービスを提供している業者に管理を依頼することが可能です。民間業者のほか、NPOなどによる比較的リーズナブルな料金で利用できるサービスもあります。
まとめ
空き家のリフォームや解体を考えるのであれば、まずは空き家に残している家財を片付けなければ先に進めません。まだ活用方法が見つかっていなかったとしても、家財を片付けることで新たな活用方法が見えてくることもあります。
TSUNAGUは、空き家の片付けのほか、解体、整理のお手伝いをしています。今は空き家を適切に管理し、維持していくことが難しい時代です。中国地方で空き家の片付けや整理をお考えの方は、TSUNAGUにご相談ください。
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